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CHUNITHM【チュウニズム】攻略wiki

ポメ太

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【キャラ一覧(無印 / AIR / STAR / AMAZON / CRYSTAL / PARADISE / NEW / SUN)】
スキル一覧(~PARADISE LOST)】【マップ一覧

※ここはCHUNITHM PARADISE LOST以前に実装されたキャラクターのページです。

  • このページに記載されているすべてのスキルの効果は、CHUNITHM PARADISE LOSTまでのものです(限界突破の証系を除き、NEW以降で入手・使用できません)。
  • 専用スキル装備時に名前とグラフィックが変化していたキャラクター(いわゆるトランスフォーム対応キャラ)は、RANK 15にすることで該当グラフィックを自由に選択可能となります。

Illustrator:夢ノ内


名前ポメ太
年齢4歳
肩書タカサキの猛犬

グンマ県最強の番長を目指す漢。

ポメ太【 通常 / スピードの向こう岸

後ろの2匹は舎弟の「ブル介」と「リア」。

スキル

RANKスキル
1ファーストスパイク
5
10
15
25限界突破の証
50真・限界突破の証
100絆・限界突破の証

  • ファーストスパイク [NORMAL]
  • 序盤に強力なブーストがかかり、その後ブーストが切れダメージ微増へと変化する特殊なスキル。いかに最初のブースト部分でゲージを稼げるかにかかっているが、演奏時間および序盤の密度に左右されるので安定しない。序盤でゲージを稼ぐ以上、増加率も相まってダメージがかさむ点も注意。
  • 後半の方が密度が高い譜面が多いと思われるが、1/3経過までのゲージ占有率が約24%以上あれば、初期値でもゲージ5本は可能な模様。+7の場合、1/3経過までのゲージ占有率が1/3以上であれば、ゲージ6本が可能になる。
  • +12以降は上昇幅が上がり譜面によっては7本も可能となるが、同時にダメージ増加量も増える。
  • 筐体内の入手方法(2021/8/5時点):
  • PARADISE ep.Iマップ3(PARADISE時点で累計115マス)クリア
プレイ環境と最大GRADEの関係
プレイ環境最大
開始時期ガチャ
PARADISE×
(2021/8/5~)
無し+3
あり+7
PARADISE
(~2021/8/4)
無し+5
あり+11
CRYSTAL無し+7
あり+15
AMAZON無し+7
あり+15
STAR+以前
GRADE効果
共通1/3経過まで
ゲージ上昇UP (???%)
}
1/3経過後から
MISS時のダメージが増える (???%)
ゲージ上昇UPダメージ増加
初期値(240%)(110%)
+1(250%)(110%)
+2(260%)(110%)
+3(270%)(110%)
▼以降はCARD MAKERで入手するキャラが必要
+4(280%)(110%)
+5(290%)(110%)
+6(300%)(110%)
+7(310%)(110%)
▼以降はCARD MAKERで入手するキャラが必要
(2021/8/5以降では未登場)
+8(320%)(110%)
+9(330%)(110%)
+10(340%)(110%)
+11(350%)(110%)
▼以降はCARD MAKERで入手するキャラが必要
(PARADISE以降では未登場)
+12(375%)}(115%)
+13(400%)}(120%)
+14(425%)}(125%)
+15(450%)}(130%)
参考理論値:94000(5本+14000/22k)[+3]
参考理論値:98000(5本+18000/22k)[+5]
参考理論値:102000(6本+0/24k)[+7]
参考理論値:110000(6本+8000/24k)[+11]
参考理論値:130000(7本+4000/26k)[+15]
[共通条件:ノーツ分布が均一]

所有キャラ【 常世のサツキ / 轟雷音 / ダオ・トッテナ(1,5) / アンプルール(1,5) / ポメ太

PLUSまでの旧仕様

AIRバージョンから、分岐点が1/3に変更されてゲージ上昇率が調整された。ただし、1/3経過後はダメージが微増するようになった。最終的なゲージ上昇率は変更前を上回る。

初期値1/4経過までゲージ上昇UP (280%)
1/4経過後からMISS時のダメージ軽減 (10%)
GRADE UPゲージ上昇UP 5%増加(最大295%)

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ランクテーブル

12345
スキルEp.1Ep.2Ep.3スキル
678910
Ep.4Ep.5Ep.6Ep.7スキル
1112131415
Ep.8Ep.9Ep.10Ep.11スキル
1617181920
 
2122232425
スキル
~50
スキル
~100
スキル

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STORY

EPISODE1 タカサキの猛犬「オレはポメ太! グンマ最強の“番長”に、オレはなるッ!」

 ここはしゃべる動物と人間が仲良く生活している不思議な世界『グンマ県』。

 そのタカサキ市には、グンマ県制圧を目論む1人の“番長”が存在した。

 『タカサキの猛犬』と呼ばれる漢の中の漢――その名をポメ太。


 「グンマ最強の“番長”に、オレはなるッ!」


 小柄で可愛らしい外見をしているが、姿に似合わず腕っぷしは強く獰猛。

 その姿にナメてかかった数々の猛者を呆気なく返り討ちにし、ポメ太は瞬く間にタカサキのトップへと上り詰める。

 それは、グンマを制圧するのも時間の問題と噂されるほどの快進撃だった。

 だが、ポメ太の前に同等の力を持った“番長”が現れる。


 それこそが、ポメ太が唯一ライバルと認めた漢。

 『マエバシの猛虎』――トラ吉だった。


 「オレに牙を剥くなら容赦はしねぇ」


 どちらが先に、グンマのテッペンを取れるのか。

 2人の“番長”は何度も激突しようとしてきたが、様々な理由によって直接対決は実現せず、小競り合いだけが続く。


 「オレがグンマーワンのツッパリだ! トラ吉なんかにゃ後れは取らねぇ!」


 永遠のライバルであるトラ吉は大柄でイカつい。

 反面、ポメ太は小柄な体格。

 イカつい舎弟を引き連れて歩けば、パシられているように思われることも少なくない。

 これでは、タカサキの猛犬のメンツが丸潰れである。

 ナメられないように、トラ吉よりも存在感があるように見せなければいけなかった。


 「テッペン取るには、あの店で漢を磨くしかねぇ!」


 トーキョーのシモキタにあるヤンキー御用達の店『Guilty』。

 そこでシャレオツファッションを身にまとえば、自分をナメる輩は居なくなるはず。

 そう、ポメ太は考えていた。

 しかし、トーキョーの地は遠く、ポメ太はなかなか一歩を踏み出すことができずにいた。

 いつか絶対に『Guilty』のファッションをキメ、グンマのテッペンに立つ。

 そう心に決めながら、ポメ太は今日も舎弟たちに大好物の焼きそばパンをパシらせるのだった。

EPISODE2 全国デビュー!「“伝説”を刻んじまった! これでオレもウレモン間違いなしだぜぇ!」

 ある日の放課後。オレは舎弟のリアとブル介を引き連れて、タカサキの街をチャリで駆け回っていた。

 ナワバリの平和を守るのが、“番長”の役目ってヤツよ!


 「アニキィ! 今日も平和っスねぇ!」

 「こうして毎日パトちゃんしてんだ! ったりめぇよォ!」

 「流石ですぜぇ、カシラァ!」


 「アニキィ」と呼んでくるのがリア。

 「カシラァ」と呼んでくるのがブル介。

 どっちもオレの大切な舎弟だ。


 「そう褒めんなって……ン? だありゃあ?」


 駅前にスゲェ人だかりができてやがる!

 1、2、3……わからねぇ、たくさんだ!


 「もしかして、他校からのカチコミかもしれやせんぜぇ?」

 「ハッ! ジョートーじゃねぇか! 行くぞ、オメェら!」


 人だかりにはマイクみたいなモンを持ったネーチャンと、カメラ担いだヤツがいる。

 よくわからねぇが……オレのナワバリにチョッカイ出してくるヤツは見過ごせねぇ。


 「おうおう! ここが誰のナワバリかわかってンのかァ?」

 「あらぁ~? 近くの学生さんかなぁ~? 少しお時間よろしいですかぁ~?」

 「ナメてンのか、あぁ!?」


 なんなんだ、このネーチャン?

 オレがメンチキメてるってのに、なんで笑ってやがる?


 「ア、アアニアニアニアニキィ!」

 「ンだよ? 今このネーチャンと“オハナシ”してンだろうが!」

 「違うんスよ! これ、『ワルナンダヨ!』の収録っスよ!」

 「ワル……? って、もしかして――」

 「全国放送の人気番組ですぜぇ!」


 は?


 ――マッッッッッジかよォォォォォッッッ!?


 「じ、じゃあなんだ! 今オレたち、映っちまってるってのか!?」

 「そういうことですぜぇ!」

 「全国区っス! お茶の間にお届けされるっス!」

 「それでぇ~、お話いいですかぁ~?」

 「モチのロンだぜ! ジャンジャン聞いてくれ!」


 これでオレもウレモンだぜ!


 ――数日後。


 「さぁて、今日の『ワルナンダヨ!』でも見るか」


 インタビューを受けてから、これがオレの日課になっていた。


 『えっとぉ~、それで放課後君たちは何をする予定なのかなぁ~?』

 『あぁん! 見てわかンねぇのか? パトちゃんの真っ最中よ!』


 おぉ! キタキタ! スゲェ!

 マジでオレがテレビに映ってるぜ!


 『なるほど~、パトちゃん中なんですねぇ~』

 『タカサキが平和なのは――』

 『ではここでぇ~! グンマの魅力について、聞いてみたいと思いまぁ~す! 君たちが思うグンマのスゴイところは何かなぁ~?』

 『グンマの魅力だぁ?』


 カメラが寄る! オレのドアップだ!

 ここでキメ顔をズドン!


 『ないんだな、それが』

 『えぇ~!?』

 『だからオレ、トーキョーに行きてぇと思ってるんだぃね。トーキョーはスゲェよ、大きな建物がいっぺぇ並んでんだ』

 『な、なかなか大きな夢ですねぇ~! あ、ありがとうございましたぁ~!』


 「オイオイ……また“伝説”を刻んじまったぜぇ!」


 ――このインタビューは長い間ネットミームとして語り継がれ、ある意味で伝説となるのだが、当のポメ太には知る由もないのだった。

EPISODE3 ツッパリ魂「オレは止まらねぇ……だからよ、オメェらも止まるんじゃねぇぞ……!」

 やっと授業が終わって放課後だぜ。

 今日は何をすっかなァ。


 「リア、ブル介、帰っぞ!」

 「「うす!」」

 「ちょっとぉー!」


 あん? クラスの女子たちか。なんの用だ?


 「掃除当番でしょー? ちゃんとやってよねー!」

 「当番だァ?」


 そういやそうだったかもしれねぇな。

 頭ン中から抜け落ちていたぜ。


 「おうおう! カシラァがそんなシャバいことするわけねぇだろうが!」

 「どうしても帰さねぇってんなら、もちろんオレらは抵抗するで? 拳で!!!」


 ったく、こいつらはなっちゃいねぇぜ。

 ツッパリの拳がなんのためにあるのか、オレが教えてやらねぇとな。


 「リアよぉオメェ、オレたちの拳は誰かを守るためのモンだろうが! 女に手ぇ挙げようとするなんて、ツッパリ失格だぜ!」

 「あ……アニキィ! オレが間違ってたっス! すいませんでしたぁっ!」

 「わかりゃあいいんだよ」

 「ポメ太くん、ステキ~!」

 「ハッ、よせやい。オレはただのツッパリだぜ?」


 オレの魂――学ランの腕に刺繍された『タカサキの猛犬』を掲げる。


 「グンマのテッペン立つツッパリが、女子供に手ぇ出すわきゃねぇだろうがよ!」

 「テッペンってことは、1番強いんだ?」

 「ったりめーだ! オレにできねぇことはねぇ! 何故なら、最強だからだ!」

 「わぁ、すごーい! なんでもできる最強のツッパリなら、お掃除だってすぐに終わらせられちゃうよね?」

 「ハッ! 掃除なんて朝飯前だ! オメェらの分までやってやらァ! ちょちょいで終わらせてやンよォ!」

 「やったー! ありがとう、ポメ太くん!」

 「じゃあ、後はお願いね~!」


 掃除用具を渡して、風のように去って行く女子たち。

 隅々までピッカピカのギラギラに掃除してやるぜぇ!


 「流石っスよアニキィ! 教室の掃除を引き受けちまうなんて!」

 「なんでもねぇちいせぇことまで背負ってやンのが、ツッパリってヤツなんだよ」

 「カッケェ……一生ついて行きやす、カシラァ!」

 「掃除も勢いだ! サクッと終わらせッゾ!」

 「「うす!」」


 3人でやりゃあ秒で終わるぜ。

 T型の箒で細かい埃を集めていく。


 「なんだよ、結構きれいじゃねぇか」

 「これならすぐに終わりますぜぇ、カシラァ」


 集めた埃をチリトリでゴミ箱に捨てて終了!

 やっぱり簡単だなぁ、掃除ってのはよ!


 「きれいにした後ってのは気持ちがいいモンだぜ!」

 「じゃ、オレがゴミ捨ててくるっス……あ」


 リアが間抜けな声を上げて、滑ってゴミ箱に激突。

 教室の床にまたゴミが散らばっちまった。


 「あ……アニキィ……」

 「なんて声だしてやがる……リアァ!」

 「だって……だって……」

 「オレはタカサキの猛犬ポメ太だぞ。こんくれぇ、なんてこたぁねぇ」


 そうだ……こんくれぇ、問題はねぇ。

 オレの体はまだ動く。

 止まんねぇ限り、掃除はできる。


 「だからよ……掃除が終わるまで、止まるんじゃねぇぞ……!」

 「アニキィ!」

 「カシラァ!」

 「だがリア! オメェはお仕置きだァ!」


 オレはすぐさまリアに飛び掛かる。

 倒れたところで両足を掴み回す。

 オラオラ! どんどん勢いを増してくぜ!


 「うおおおぉぉぉっ!」

 「ギャーっス!? 目が……目が回るぅ~~~!?」

 「どりゃぁっ!」


 そのまま足を放してリアを投げ飛ばす。

 これがオレのジャイアントスイングだぜ。

 リアが向かう先は、教室の扉。

 ひでぇ音がして、リアは扉ごと廊下に投げ出された。


 「生きてっか、リア?」

 「ひ、ひどいっスよ、アニキィ……」

 「しゃべれるなら問題ねぇな」

 「全身メチャイタっスよ!?」

 「それより、これどうするんですか、カシラァ?」


 ゴミ箱がひっくり返っているし、扉はぶっ壊れちまってる。

 とりあえずゴミだけはゴミ箱に戻して、さっさと撤収だぜ!


 「帰るぞオメェら!」

 「ま、まるで悪びれないなんて……スゲェっス!」

 「シビれやすぜぇ、カシラァ!」

 「褒めんな褒めんな、さっさと行くぞオラ! 止まるんじゃねぇ!」


 ――翌日、ポメ太たちは見事女子たちにチクられ、罰として1週間トイレ掃除をする羽目になるのだった。

EPISODE4 輝け! デコチャリ対決!「オレの愛車が1番カッコいいぜ!輝け、流星号!」

 とある休日。

 陽の光を跳ね返して輝く銀色のアルミ板。

 様々な色のLEDは昼も夜も関係なく派手に光を放つ。

 デコトラに似せた外見の自慢のデコチャリ――流星号と共に街を疾走(はし)る。


 「まさかこんな日が来るなんてな」


 リアのヤツ、勝手に『メンズアニマル』の読者モデルに応募してるなんてよ。

 しかもデコチャリ特集の記事なんて、オレに持ってこいの企画だぜ。

 メンアニっていやぁ、シャレオツなファッションとシビれるキャッチコピーが話題の有名Webサイトだ。

 アレに載るなんて、ウレモン間違いなしだぜ!


 「確か……待ち合わせ場所はここだったよな」


 駅前の広場に着いたが……それらしいヤツは見当たらねぇな。

 まぁ、そのうち来るだろう。

 しっかし、いつ見てもオレの愛車はいい出来だぜ。


 「もしかしたら、大々的に取り上げられちまうかもなァ!」


 ん? なんかチャラついた怪しい男がこっちに歩いてきてるが、まさかアイツがメンアニの?

 ……って、その後ろに居るヤツは!?


 「ポメ太君だよねぇ? ごめんねぇ、遅くなっちゃって。途中でシビれるデコチャリを見つけてねぇ、連れてきちゃったよ」

 「と、トラ吉!? なんでオメェがここに!」

 「ポメ太、テメェこそ何してやがる」

 「あれぇ? 君たちお友達だったの? いやぁ、これは運命感じちゃうねぇ!」


 ダチじゃねぇし!

 くっそぉ~、なんで休日にトラ吉の顔を見なきゃならねぇんだよ!

 こうなったら……トラ吉よりも目立って、オレの方がスゲェってことをわからせてやる!


 「それにしても、2人のデコチャリ最っ高だねぇ! フロントからの曲線美! そして熱い魂ってヤツをひしひしと感じるねぇ~!」

 「あざっす! 組んでるのは知り合いのバイクショップっすけど、設計は全部自分でやってるンすよ!」

 「そうなんだ、熱いねぇ~!」


 よぉし、オレの愛車に意識が向いてるな!

 もっと見ろ……渾身のデコチャリを!

 どうだトラ吉!

 オレの方がスゲェって、これで思い知ったはずだぜ!

 ……って、街灯にもたれかかってポーズキメてるだとォ!?

 こいつ何イキってやがんだ!?

 ……ちょっとカッコいいじゃねぇか。

 まぁ、オレの次にだがよ。


 「ポージングいいねぇ~!」

 「そっすかね」


 くっ、トラ吉に後れを取るわけにはいかねぇ!


 「まっ、けるかぁー!」

 「おぉ! 君のヤンキー座りもいいねぇ~! もっと! もっと輝いて! いいキャッチコピーができそうなんだよねぇ~!」


 先にキャッチコピーを貰うのはこのオレだ!

 トラ吉に先手をやるわけにはいかねぇ!

 ヤツよりも先にインパクトあることをすっぞ!


 「うおおおぉぉぉっ!」


 デコチャリの飾りよ――今こそ力を貸せェ!


 「なっ、テメェ何やってやがる!?」

 「オレ自身が、デコチャリになるんだよォォッ!」

 「ダニィ!?」

 「その程度か、トラ吉! どうしてデコチャリと合体しない!?」

 「オレを本気(マジ)にさせたこと、後悔するんだなッ!」


 !?


 トラ吉はサドルを外すと大きく飛び上がり、体を逸らす。

 そしてそのままサドルのあった部分へと寝そべった。

 これが、デコチャリと一体となったトラ吉の完全体!

 ……カッコいいじゃねぇか!


 「いいねぇ! 最っ高だねぇ~! 君たち2人が並んでると最高に絵になるねぇ~! そうだ! 最後に2人でポージングしてみてよ!」

 「2人で!?」

 「だとォ!?」


 思わずトラ吉を見ると、ヤツもオレを見ていた。

 仕方ねぇ……やってやろうじゃねぇか!

 愛車が映えるように前に置いて、オレたちはその後ろで肩を組んだ。


 「いいねいいねぇ~! キタキタキタキタ! イケてるキャッチコピーがキタァァァッ! MAXMAXアゲなフレーズだねぇ~! 掲載楽しみにしてくれよねぇ~!」


 オレたちを残して、男は走り去る。

 ちっ、もっとオレのカッコいいポーズを見せてやりたかったンだがなぁ。


 「なかなかやるじゃねぇか、ポメ太」

 「トラ吉、オメェこそな」


 まさかトラ吉とツーショット撮るなんて、思いもしなかったな。

 しかし改めて、オレと張り合えるヤツはアイツだけだって実感したぜ。

 取材も成し遂げられたし、今日は気分がいいや!


 ――数日後。


 「カシラァ! メンアニ見やしたぜぇ!」

 「めっっっっっちゃカッコよかったっス!」

 「そうだろうそうだろう、カッコよかっただろ~!」


 学校でも流行っちまってるのか、すれ違う生徒がオレを見てくる。

 またこれでオレの名も上がっちまったなァ!


 「でもまさか、トラ吉のヤツとツーショしてたとは意外でしたぜ」

 「ありゃ仕方なくだ」

 「アニキィの方がカッコよかったっスよ!」

 「んなの当たり前だろうが!」

 「そうだ、キャッチコピー言ってほしいっス!」

 「仕方ねぇなァ! 『ガイアがチャリにもっと輝けと囁いている』!」

 「うぉぉぉ! カッケェっス!」

 「シビれやす! シビれやすぜぇ!」


 このイカしたキャッチコピー、オレにピッタリだ。

 最高の気分だぜ!


 「ぷふっ」

 「あん?」


 今笑い声が聞こえたような……?


 「や、やっぱりカシラァは格がちげぇや!」

 「もう1回! もう1回言ってほしいっス!」

 「しっかたねぇなぁ」


 キリっとキメ顔をリアたちに向ける。


 「ガイアが! チャリに! もっと輝けと! 囁いているゥ!」

 「カッケェ~~~ッ!」

 「よっ、グンマーワン!」

 「ワン! ワン! ワン!」


 ここまで気に入られるとは思ってなかったが、オレとしても嬉しいぜ。

 今度自分で考えてみっかな!

EPISODE5 熱戦! 音ゲー対決!「ピカピカしてるイカしたゲームで吠え面かかせてやるぜ!」

 ゲーム好きなリアの誘いで、オレたちはゲーセンに寄っていた。

 いろいろなゲームを見て回っていると、プリチェキコーナーに見たくもねぇ顔を見つけちまった。


 「こんなトコで会うとはなァ、トラ吉! プリちゃんでも撮ってたってか、あぁ?」

 「テメェにゃ関係ねぇ」

 「やんのか、あぁ!?」

 「2人とも落ち着くっスよ。せっかくなら、ゲームで勝負するのはどっスか?」

 「おもしれぇ! 吠え面かかせてやる! あのピカピカしてるイカしたゲームで勝負だ!」

 「いいだろう。ただし泣くのはポメ太、テメェだがな!」


 しっかし適当に選んじまったが、なんだアレ?

 銀行にあるエーテーエムにしか見えねぇ。

 『コウニズム』とは書いてあるが、本当にゲームなのか?


 「アレを選ぶなんて流石っスよアニキィ! そうだ、選曲はオレにさせてくださいよ!」

 「それくれぇ構わねぇよ。トラ吉もそれでいいな?」

 「問題ねぇ」


 スカした返事をしてきやがったが……バカめ!

 リアはオレの舎弟……オレを有利にするに決まってんじゃねぇか!

 これは勝ったも同然だぜぇ!


 「普通にヤるんじゃつまらないんで、1曲ごとに難易度と速度アゲアゲでいくっスよ!」


 なんかリアがいろいろ操作してやがるが……全然わからん!


 「1曲目は簡単にしたっスよ!」


 あ? 混沌? 緑の難易度だァ?

 わかんねぇが、やったらァ!


 「ドラ、ドラ、ドラァ!」

 「流石っス、アニキィ!」


 ハッ! んだよ簡単じゃねぇか!

 おっと、ここで手ェ上げてっと……。


 「アニキィ! エアーに届いてないっス!」

 「あぁ!? じゃオメェがやれ!」

 「それはさすがに反則っス!?」


 だがまぁいい、スコアはそれなりに取れたからな。

 トラ吉の方は……って、全ミスじゃねぇか!


 「もう勝負はついたも同然だなァ!」

 「何ナメたこと言ってやがる。今のは小手調べだ。次はテメェが泣きを見る番だぜ!」


 2曲目は、業……ってヤツの黄色か。

 次もキメて、完・全・勝・利! してやんよォ!


 「なん……だと……!?」

 「こんなモンだぜ」


 オレの、負けだとォ!?


 「どうした、テメェの力はその程度か?」

 「ハッ! 1回勝ったくらいでイキんな!」

 「次の速度はソニックっスよ!」

 「せっかくだからオレはこの赤いのを選ぶぜ!」

 「いいだろう。オレも赤だ!」


 3曲目はレベ、レベ……イカした男が映ってるヤツ。

 ンだぁ? スゲェ速度で降ってきやがるぞ!?


 「見えるぞ! オレにもノーツが見える!」

 「クソ! まっ、けるかぁーっ!」


 画面で何が起こってンのかまるでわからん!

 が、手を止めたらそこで最後!

 動かし続けるしかねぇ!


 「オラオラオラオラオラァッ!」

 「ドラドラドラドラドラァッ!」

 「2人とも、なんて勢いだ!? けど何1つ叩けてない!」


 クソッ……このままじゃヤツに勝てねぇ!

 いったいどうすりゃいいんだ!?


 「オレの答えはこれだ!」


 !?


 「トラ吉さん、何を!?」

 「アレは……頭エアー!? 両手じゃ取れないエアーノーツを取るために編み出された技っス!」


 頭のキレるトラ吉らしい戦術だぜ。

 オレもこのまま終わるわけにはいかねぇ!

 ヤツが頭なら――


 「オレは肘だァー!!」

 「アレは……肘エアー!? エアーノーツをより多く取れるようにと編み出された技っス!」

 「オラオラオラオラオラァッ!」

 「ドラドラドラドラドラァッ!」


 いつの間にか曲が終わってたが、どっちだ!?

 どっちが勝った?

 オレの画面には大きく「FAILED」とか書かれてやがるが、トラ吉も同じ文字だ。

 っつーことは。


 「……これがリアルじゃなくてよかったな。リアルだったらオメェもう死んでるぞ」

 「……オレのナワバリじゃ今のノーカンだから。仕方ねぇから引き分けにしておいてやるぜ」

 「引き分けじゃつまらないっスねぇ。ワンモア行きましょう!」


 ジョートーだ。次でけちょんけちょんにしてやるぜ!

 もう一度プレイしようとした瞬間――


 「ちょっといいかしら? ここは交代台。連コは禁止よ」

 「あぁ? 何話しかけてきて……ンだ……ァ?」


 な、なんだこのメスゴリラは……!

 妙な威圧感がある。

 こ、このオレがブルっちまうくらいの……。

 仕方ねぇ、こいつの番が終わるのを待ってやるか。

 だが、次の瞬間、オレたちの目の前でとんでもない光景が繰り広げられた。


 「ウホオオオォォォォォッッ!!」


 オレァ、夢でも見てんのか?

 あのメスゴリラの身体が、さっきよりデカく見えやがるぞ?

 本当に何モンなんだ、こいつぁ……?


 『オールジャスティス!』

 「ウッホホ、たぎる譜面だったわ! これでグンマも制覇ね!」


 んなことを呟いて、メスゴリラは満足して去って行った。


 「空いたっスね! 勝負の続きっス!」

 「……今日は帰る」

 「……オレも帰るぜ」

 「えぇっ!? どうしてっスか!?」

 「るせぇぞリア! 帰るったら帰るんだよォ!」


 あんなプレイを見せられちゃ、やる気もなくなるってモンだぜ……。

 アイツは、音ゲー界の“スケバン”ってとこか。

 スゲェヤツも居たモンだぜ。

EPISODE6 豆腐の悲劇「“信号(ルール)”は守るンだぜ? オレとの約束だ!」

 放課後、オレはリアとブル介を連れ、カーチャンのお使いで豆腐屋へと愛車を走らせていた。


 「向こうに居るのって、トラ吉のヤロウじゃねぇっスか?」


 赤信号で止まっていると、リアがそんなことを言ってきた。

 確かに……向こうに見覚えのある顔が居やがる。


 「なんでオメェが居るンだよ!」


 声を張り上げるが、ヤツはなんの反応もねぇ。


 「このオレをシカトしやがるだとォ……?」

 「むしろこれはチャンス。言いたい放題ですぜぇ」

 「それは確かにだ! やーい、肉球ぷにぷに! 毛並みサラッサラ! 可愛い子猫ちゃんでちゅねぇ!」


 ここまで言ってンのにシカトかよ……。

 いや、逆に何も言い返せねぇのか?

 これは傑作だぜ!

 ん? アイツの近くに居るヤツ……ミケ崎の様子が少しおかしい。

 いったい何を――


 「“待”ってたぜェ!! この“瞬間(とき)”をよォ!!」


 !?


 アイツ道路に飛び出しやがったぞ!

 スゲェ気迫だ……思わずブルっちまったが、オレとやり合おうってか!

 いいぜぇ、お望み通りぶち転がしてやンよォ!


 「ウボァー!?」


 ――刹那、チャリが宙を舞う!

 ミケ崎くん吹き飛ばされたー!


 「…………は?」

 「トラックにぶっ飛ばされるなんて……これは大惨事ですぜぇ……」

 「そもそも赤信号だったっスからね……」

 「“事故”るヤツは……“不運”と踊”っちまったんだよ……」


 “信号(ルール)”は守らねぇとな。


 「トラ吉さん……異世界で、みんなを笑顔に……」

 「バカ野郎! 信号は青の時に右見て左見てもう一度右見てから渡れっつっただろうが!!」


 舎弟があんな姿になっちまうなんてな。

 さすがに同情しちまうぜ。


 「……仕方ねぇ。救急車呼んでやるか」

 「流石アニキィ! 敵に塩を送るヤツっスね!」

 「オメェらも“信号(ルール)”は守るンだぜ? オレとの約束だ!」

 「「うす!」」


 結局、救急車を呼んでたら、日も暮れちまった。

 ま、これも人助けってヤツよ。

 救急車に乗ったトラ吉が、去り際にオレに向かって手を振っていた。

 それがオメェなりの感謝ってわけか。

 オレは振り返してなんかやらねぇけどよ。

 ま、いいことした後は気分がいいぜ。

 けど、なんか忘れてるような気がすんだよなァ。


 「アンタ! 高校生にもなってお使い1つできないのかい!? お尻叩きの刑だよ!」

 「豆腐忘れてたァー!? そりゃねぇよカーチャン!」


 ――その日、ポメ太宅から何かを叩く音と悲鳴が響いたと言う。

EPISODE7 犬虎激突「永遠のライバルトラ吉……。今日をオメェの最後の日にしてやるぜ!」

 オレはついに、宿敵トラ吉と決着をつけるため、ヤツに果たし状を叩きつけた。

 決戦の地は、ここトネガワ土手。

 ウォーミングアップはもう済ませた。

 学校から土手までを全速力で走ったことで、既に体は汗が噴き出る程にあったまっている……。


 「ハァ……ハァ……今日こそ、ケリつけッゾ!」

 「……いいだろう、かかってこい!」


 トラ吉も肩で息をしている……準備万端ってわけか。

 今日をオメェの最後の日にしてやるぜ、トラ吉!


 「ドラァッ!(ぷにゅ)」

 「オラァッ!(ぷにゅ)」


 初撃はクロスカウンターが炸裂!

 だがなんだ? 全然パワーを感じねぇ。

 小手調べとでも言うってのか?


 「ハッ! オメェの拳はそんなモンじゃねぇだろ!」

 「テメェこそ、手ぇ抜くんじゃねぇぞ!」


 オメェがそういうつもりなら、ハナから全力だ!

 オレの必殺技で沈めてやンよォ!


 「ポメ太ァッ!」


 バカなヤツだぜ!

 わざわざオメェから突っ込んでくるとはなァ!

 距離が詰まれば、あの動きに入れる!

 規則正しい振り子運動……この∞の動きが、オメェの最後に見る光景だ!


 「ダニィ!?」

 「こいつで沈みなッ!(ぷにぷにぷにっ)」

 「ぐぅっ!?」

 「ドラドラドラドラドラァッ!」


 これがオレの必殺技――デンプシーロールッ!

 このまま一気にKO! オレの勝ちだァッ!


 「オラァッ!」


 勝ちを確信したその瞬間、トラ吉の右ストレートが迫るッ!

 避けれねぇッ!

 だが、行くしかねぇだろ?

 ピリオドの向こうによォォッ!!


 ――ぷにぃっ。


 気づいたら、オレはオレンジ色の空を眺めていた。

 トラ吉も近くに倒れてるってことは、相打ちだったみてぇだな。


 「やるじゃねぇか、トラ吉……」

 「テメェもな、ポメ太」


 流石はオレがライバルと認めた漢だ。

 引き分けたってのに、なんだか気分がいいぜ。

EPISODE8 すれ違う相談「トラ吉には話してもいいよな。オレが目を付けているマブいヤツのことを」

 オレたちは、土手に寝そべりながらオレンジ色の空を眺め続けていた。

 結局決着はつけられなかったが、もう十分だ。

 こいつは……オレと同じ熱い魂を持ってるって確信したぜ。


 「オレさ……ずっと気になってるヤツが居てよ」


 だから、こいつになら話していいと思ったんだ。

 オレが目を付けているマブい女――プド子のことを。


 「ほう、どんなヤツだ?」

 「そいつぁ目が輝いていてよ……何もかもがオレよりデケェんだ……」


 いつだったかリアはこう言っていた。


 『あの子、しきりにアニキィのこと見てるっスよ! もしかしたら、気があるんじゃないっスか? お似合いっスよ!』


 “番長”のオレに相応しいタカサキ高のマドンナ。

 他の女子とはちげぇ、とびっきりのマブいヤツだ。


 「そんなデケェのが居んのか……」

 「あぁ、オレもオメェも、アイツにとっちゃちっぽけかもな」

 「ハンパねぇな」

 「そんで頭も良くて運動も得意で、いろいろ完璧なヤツなんだ」

 「グンマにまだそんなヤツが……」

 「しかも、ショートカットのヘアースタイルがキマっててヤベェんだ」

 「ショートヘアー、だとォ!?」


 そんな女がオレに惚れてるってンだ。

 応えねぇわけにはいかねぇ。

 あっちからコクってこねぇのは、きっと恥ずかしがっているからだぜ。

 こういうのは、漢のオレから言わねぇとな。


 「そいつぁヤベェ。ポメ太、度胸あんな……」

 「マ、マジか!? トラ吉にそう言われる日が来るなんてな……自信がつくぜ。あんがとよ」


 これで決心がついたぜ。


 「トラ吉。オレは明日、ヤツを落とす!」

 「随分急だな。1人でやれんのか?」

 「ったりめーだ。助けはいらねぇ」

 「根性あんじゃねぇか!」

 「次会う時、オレは生まれ変わってるぜ。楽しみにしてるンだな!」


 今、オレの体は追い風を感じている。

 明日、プド子にコクるぜ!

EPISODE9 燃え尽きた猛犬の決意「まだまだ漢が足りなかったみてぇだぜ。だったら磨いてやる。憧れの地、トーキョーでな!」

 「私、縞柄が好きなの。だからあなたとは合わないわ。ごめんなさい」


 去って行くプド子を眺め、オレは膝から崩れ落ちる。

 燃えたよ……。

 真っ白に……。

 燃え尽きた……。

 真っ白な灰に……。


 「カシラァ……大丈夫ですかい?」

 「アニキィ! どこ行くんスかぁ!?」

 「オレに構うな……」


 フラれたオレの気持ちはわからねぇだろ……?

 もうどうにでもなっちまえ、コンチクショウ……!


 ――。

 ――――。

 ――――――。


 「ハッ!? お、オレはいったい……ここは……?」


 気づけば、オレはトネガワ土手に座り込んでいた。

 しかももう日も暮れそうだ。

 なんでオレはこんなところに……?


 「カシラァ、もう1日こうしてますぜぇ……」

 「1日……?」


 そうだ……あまりのショックで忘れてたぜ。

 フラれちまったんだよなぁ、オレ。


 「そろそろ元気出してくださいよ、アニキィ」

 「あんな無様な姿をオメェらに見せちまったんだ。アニキなんて呼ばれる資格なんてねぇよ……」

 「落ち込んでるなんてらしくないっスよぉ!」

 「そうですぜぇ! やられたらやり返すのが、ツッパリってモンじゃあないですかい?」

 「やられたら……やり返す……」

 「そうっスよ! センスが合わないってんなら、合わせりゃあいいんスよ!」

 「合わせる、だと……?」


 ツッパリファッションはオレの魂そのもの。

 他人に合わせるなんて、そんなことはできねぇ。

 オレからツッパリを取りあげたら何が残るってんだ。


 「あっちがアニキィに合わせたくなるような、ツッパリハイセンスファッションをキメるんスよ!」

 「ハイセンスファッション?」


 それはつまり……。


 「トーキョーの、『Guilty』……!」

 「今こそそのファッションをキメて、見返してやりやしょう!」


 そうか……その手があったか!


 「ありがとな、リア、ブル介! オレはまだまだ漢を磨ける……そうだよな!」

 「その意気ですぜぇ!」


 ガシッと熱く抱き合う。

 オレは幸せだぜ……オメェらみてぇな舎弟を持てたことがよ!


 「オメェらはオレの誇りだ!」

 「アニキィ!」

 「カシラァ!」

 「テメェら、こんなとこで何やってんだ?」

 「と、トラ吉!」


 偶然か、トラ吉が姿を現した。

 やっぱりコイツにも話しておかねぇとな。

 オレの背中を押してくれたんだし。


 「昨日言ってた女にコクったんだがよ、こっぴどくフラれちまったんだ……オメェに背中を押してもらったってのに、情けねぇぜ」

 「おん、女ァ!? ち、ちょっと待て整理する!」


 あぁん? どうしたってンだ、トラ吉のヤツ?


 「なるほど、そういうことか。だいたいわかった。それで、テメェはこれで終われるのか?」

 「ンなわきゃねぇだろ! トーキョーでシャレオツなファッションをキメて、もう一度コクるつもりだ!」

 「やはりトーキョーか……いつ出発する? オレも同行する」

 「トラキチ……いいんか?」

 「オレたちはもう、“マブ”じゃねぇか」


 トラ吉までついてきてくれるなんてな。

 味方だと思うとスゲェ心強い。

 昨日の強敵(てき)は今日の戦友(とも)ってか、よく言ったモンだぜ。


 「リア、ブル介……オメェらも行くぞ!」

 「もちろんっスよ!」

 「むしろ、ダメと言われても勝手について行きやすぜぇ、カシラァ!」

 「ありがとな、オメェら! よっし、待ってろ! シモキタの『Guilty』!」

 「「おー!」」

 「ん?」

 「ンだよ、トラ吉。ノリワリィなぁ! オメェも声出せ!」

 「お、おぅ!」

 「よっしゃ! さっそく行こうぜ!」

 「待てポメ太。今日はもう日が暮れる。準備もあるだろうから、向かうのは明日にしよう。ちょうど休みだからな」


 確かにな……トラ吉の言う通りだ。

 というか、トーキョーってどうやって行くのかもわからねぇ。


 「おーっし、なら明日の早朝だ! そうだオメェら、どうせならウチ泊まってけよ」

 「効率はその方がよさそうだし、そうするか」

 「っし、決定だ! じゃ、準備できたヤツからオレん家に集合ってことで!」


 まさかこいつらと一夜を共にすることになるなんてな。

 楽しい夜になりそうだぜ!

EPISODE10 出発(デッパツ)「旅立つ準備はできた! 行くぜッ! 目指すはトーキョーだ!」

 トーキョー遠征を控えた夜。

 家に泊まりにきたトラ吉たちと、明日の予定を話し終え――


 「で、リアはそういう話ねぇの?」


 いつの間にか恋バナで盛り上がっちまっていた。

 ま、オレだけフラれたって話を知られてンのも、フコーヘーってヤツだしな。


 「オレっスか? オレはっスねぇ……」

 「なんかムカつきそうだからいいや。ブル介は?」

 「そりゃないっスよ~アニキィ!」

 「そうですね……これはダチの話なんですけど……そのダチのバイト先の工事現場にマブい猫の先輩が居るらしくてですね。ちょっと優しくしてもらった時から、気になるようになっちまったみてぇでして」

 「優しさがシミる時ってあるよなぁ……わかるぜ」

 「でもそのダチ、奥手でイカついってんで、全然踏み出せなくて。どうしたらいいのかって悩んでんすよ……」


 わかる! わかるぜぇ……!

 マブいヤツにどう接すりゃいいのかなんて、オレもわからなかったからなぁ。


 「ブル介のその話、絶対自分のことだろ!」

 「ち、ちげぇし!」

 「すぐバレんだから隠すなって! え、猫ってもしかし――」

 「るせぇぞリア!」

 「ありがとうございます!?」


 トラ吉の鋭い肉球が、リアに突き刺さった。

 ったく、人の恋路をからかうからだぜ。


 「ブル介……お前がイイヤツってのは全員“理解(ワカッ)”てんだ。きっとそのマブい猫も、お前のイイトコ“理解(ワカッ)”てんぜ……応援してんぞ!」

 「トラ吉の旦那……ありがとうございやす! オレ、この旅から帰ってきたら告白しやす!」

 「やるじゃねぇか! それでこそ漢! オレの舎弟ってモンだぜ!」


 ここはいっちょ、気合いぶち込んどかねぇとな!

 それが兄貴分であるオレの役目だぜ!


 「歯ァ食いしばれ!」

 「うす!」

 「ドラァ!」

 「ォモホッ」


 思い切りブル介の背中を叩くと、壁まで吹っ飛ぶ。

 力入れ過ぎたみてぇだ。わりぃな、ブル介。


 そうして、遠征の朝がやってきた。

 4人で一夜を明かすなんて、不思議な気分だな。

 今までの関係よりも、繋がりが深まったっつーか、そんな感じがするぜ。

 夜更かしはしちまったが、不思議と目は冴え、気分は高まっている。

 体調は万全! 旅立つ準備はできたぜ!


 「ゆうべはおたのしみでしたね」

 「う、うるせぇよ!」

 「父ちゃんがあんたのこと車庫に呼んでたわよ」


 なんだってそんなところに。

 車庫に向かうと、満面の笑みのトーチャンが居た。


 「トーチャン、なんかよう――」


 オレの目に飛び込んできたのはデコチャリ。

 だが、いつものじゃねぇ……この直角悪絞りは!?


 「ポメ太ァ! 今日はこいつに乗ってけェ!」


 !?


 「ドエレ───“COOOL”じゃん……?」

 「ビッグになって帰って来るんだぞ!」

 「トーチャン……あ゛り゛か゛と゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛!」


 こんなデコチャリ渡されたんじゃ、カッコわりぃことできねぇなぁ!


 「オーシ! 行くゾ!? オメェら! ルートわかってんなァ!!」


 ――ブンブン、ブブブン!


 どいつもこいつも気合入れて吹かしてんじゃねぇか!

 行くぜッ! 目指すはトーキョー!


 「“出ッ発(デッパツ)”だ!」

EPISODE11 チャリで来た「オレたちは天に誓った。この友情は、絶対に不滅だってな!」

 家を早朝に出発して、愛車を漕ぎ続けること数時間。

 オレたちはついにたどり着いた。


 「ここが……トーキョー!」

 「うぉぉぉ!」


 到着した喜びで、オレたちは熱く抱き合った。

 ついに……ついにやってきたぜ!


 「スゲェっス! 人が多いっス!」

 「背の高い建物も多いですぜぇ!」


 景色も、空気すらグンマとは違う気がするぜ!

 ここでオレは、漢を磨くんだ!


 「それで、シモキタってのはどうやって行けばいいんだ?」

 「確か、シモキタって2本線路があったはずっス」

 「安心しろ。さっき遠目に駅を見たが、『シモ』と書いてあった。シンジュク線の上りと下りで線路は2本ある」

 「……ってことは?」

 「ここが、シモキタだ!」

 「うぉぉぉ! ここが念願のシモキタかァッ!」

 「ほ、ホントっスかね?」

 「トラ吉の旦那が言うなら間違いねぇって!」


 迷わず一直線にたどり着けるなんてラッキーだ。

 『Guilty』がオレを呼んでる気がするぜ!


 「っしゃー! 『Guilty』に向かうぞ!」

 「ポメ太、その後はハラジュクに行くからな」

 「わーってるよ」


 ついに念願のシャレオツファッションをキメられる!

 柄にもなく緊張してきたぜ!


 だが、トーキョーはどえらい街だった。


 「チクショウ! 『Guilty』はいったいどこにあるってんだ……!?」


 いくら歩き回っても、それらしき店はどこにも見当たらねぇ。

 いったい何がどうなってやがんだ?


 「おかしい……これは何かがおかしいぞ……」

 「なんだってんだよ、トラ吉?」

 「これだけ街中を探したはずなのに見つからない……これは絶対におかしい……お店に何かがあったに、違いない……」


 そんな……店に何かがあったなら、どうしようもねぇじゃねぇか……。


 ――やっちまいましたね! 今トラ吉さんたちが居るのは、シモキタじゃなくてシモイグサ。

 いくら『Guilty』を探したところで、見つかるはずがないんですよ。なぜなら!!!

 誰も……シモキタではなくシモイグサだと気づいてませんからね!!!――


 「今、ミケ崎の声が聞こえたような……? ふっ、しばらく聞いてねぇから、聞きたくなっちまったのかもな」


 いったい何を言ってやがンだ、トラ吉のヤツ。

 だが、今はそれを気にしている余裕はねぇ。


 「くっそぉ……オレはいったいなんのために……」

 「げ、元気出してくだせぇカシラァ!」

 「そうっスよ! 憧れのトーキョーには来れたじゃないっスか!」


 そうか……そうだよな……『Guilty』には行けなかったけど、トーキョーには来れたんだよな!

 もっと喜ぶべきだったぜ!

 だが――


 「せっかくトーキョーに来たんだ! 手ぶらじゃ帰れねぇ!」

 「何か実際に来た証のようなものが欲しいところだな。だが、時間も時間だ。帰り道で探すとしよう」

 「仕方ねぇ、そうすっか」


 今回は行けなかったが、絶対リベンジしてやっからな!

 待ってろよ、『Guilty』!


 そうしてオレたちはグンマへの帰り道を疾走(はし)る。

 その道中で、リアがある建物を見つけた。


 「アニキィ! ゲーセンがあるっス! 寄って行きませんか!?」

 「ホント、オメェはゲーセン好きだなァ。仕方ねぇ、寄ってやるか」


 グンマへの道のりは険しいからな。

 休憩はできる時にしといた方がいいか。


 「都会のゲーセンってすげー!」

 「おっ、プリチェキがあるじゃねぇか。しかもグンマじゃ見ねぇタイプだ。ポメ太、あれをグンマ土産にするのはどうだ?」

 「名案ですぜぇ、旦那! カシラァ、そうしやしょう!」

 「だな、記念に撮るとするか!」


 さっそく4人でイカしたポーズで撮影だ!


 「最っ高にキマってんじゃねぇか、オレら!」

 「アニキィ、記念に何か書きましょうよ」

 「そうだな。店の名前も入れるのはどうだ? オレたちが来た証にもなる」

 「そうすっか!」


 えっと……そうだなァ……。

 トーキョーにはデコチャリで来たから、『チャリできた』っと。

 そんで店の名前……『ニイザ店』を書く。

 なんかまだ足りねぇな。

 ここには……トーキョーには、オレ1人じゃぜってぇ来れなかった。

 だから、ダチに礼を伝えなきゃならねぇ!


 「……っし、できたぜ!」

 「ポメ太、こいつは……!」

 「『Guilty』には行けなかったけどよ、オメェらとの遠征、楽しかったぜ!」

 「か、カシラァ~!」

 「アニキィ~! 嬉しいっス!」

 「テメェとこんな関係になるとは思いもしなかったが、悪くねぇ気分だ」


 トラ吉が拳を向けてくる。

 オレも拳をそこに合わせた。


 「また来ようぜ、トーキョー!」

 「おう、リベンジだ。今度はミケ崎も一緒にだぜ!」


 そして、オレたちはまた帰路に着く。

 見上げると、空はもうオレンジ色に染まっていた。

 書き足したのは、『我等命有限友情絶対不滅成』。

 ちょっと恥ずかしいけどよ、嘘偽りねぇ気持ちだ。

 確かに『Guilty』のファッションをキメるって目的は果たせなかった。

 だけど、この遠征でオレは大切なものを手に入れた。

 そうだろ、オメェら。

 ダイヤモンドは砕けない。


 ――だから、オレたちは天に誓う。

 生まれた日は違っても、命ある限り、この友情は絶対に不滅だってな!

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■ 楽曲
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WORLD'S END
■ キャラクター
無印 / AIR / STAR / AMAZON / CRYSTAL / PARADISE
NEW / SUN
マップボーナス・限界突破
■ スキル
スキル比較
■ 称号・マップ
称号 / ネームプレート
マップ一覧
コメント (ポメ太)
  • 総コメント数8
  • 最終投稿日時 2021/08/17 16:09
    • チュウニズムな名無し
    8
    2021/08/17 16:09 ID:m5qb457a

    リアが欲しい

    • チュウニズムな名無し
    7
    2021/06/06 15:05 ID:l00upz14

    世の中がマスク生活になってしまったからか、マスクをしているキャラクターも出てきたか…(後ろのわんこ)

    • ニックネーム
    6
    2021/05/09 11:53 ID:bqg6nndw

    圧倒的なリラの威圧感

    • チュウニズムな名無し
    5
    2021/04/18 17:44 ID:qhvxbl6s

    >>1

    レベ…レベ…はrebellionだと思います

    • チュウニズムな名無し
    4
    2021/04/18 17:08 ID:g325nywk

    >>1

    難易度どんどん難しくしていくだから5(BAS)→9+(ADV)→8+(EXP)(RevolutionGame(?))こうなるのかな?

    • チュウニズムな名無し
    3
    2021/01/26 18:31 ID:koy2j1fv

    オルガとかインタビューのやつとか結構ネタが多いね

    • チュウニズムな名無し
    2
    2021/01/23 04:18 ID:npro9yhj

    スラングの洪水

    • チュウニズムな名無し
    1
    2021/01/23 03:53 ID:jv5zuu6z

    簡単な曲にした(混沌→業→レボ)

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