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CHUNITHM【チュウニズム】攻略wiki

トラ吉

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【キャラ一覧(無印 / AIR / STAR / AMAZON / CRYSTAL / PARADISE / NEW / SUN)】
スキル一覧(~PARADISE LOST)】【マップ一覧

※ここはCHUNITHM PARADISE LOST以前に実装されたキャラクターのページです。

  • このページに記載されているすべてのスキルの効果は、CHUNITHM PARADISE LOSTまでのものです(限界突破の証系を除き、NEW以降で入手・使用できません)。
  • 専用スキル装備時に名前とグラフィックが変化していたキャラクター(いわゆるトランスフォーム対応キャラ)は、RANK 15にすることで該当グラフィックを自由に選択可能となります。

Illustrator:夢ノ内


名前トラ吉
年齢4歳
職業マエバシの猛虎

イベントinclude:開催日(オリジナルNEW+)


グンマ県最強の番長を目指す漢。

トラ吉【 通常 / スピードの向こう岸

ライバルであるポメ太と日々仲良くしのぎを削り合う。

ストーリーにはネットミームになったネタなどが豊富に含まれている
  • 「おそうざい? おそうざいなら、キンピラがいいかな」

伝説的なニュースのインタビューシーンとして有名な画像。

V系のような見た目をした男性が「新総裁について望むことは?」と聞かれて上記のような発言をしていた

・・・とされているが、テロップがないバージョンの画像が発掘され、このインタビューはコラ画像であることが判明している。


  • 「ヘルメット、ヨシ! アゴヒモ、ヨシ! 安全帯、ヨシ!」、片足上げて、足場に向かって指差しポーズだ。

現場猫と呼ばれるミーム画像。

ヘルメットを着け、片足を上げて指差して「ヨシ!」と言っているが、全然ヨシ!じゃないシチュエーションで行っている、というネタ。

元はイラストレーターのくまみね氏のイラストの「電話猫」を元にしたコラ画像が広まっていたものをくまみね氏が「仕事猫」として逆輸入し、構図を若干変えて展開されている。


  • 「オレ自身が、デコチャリになるんだよォォッ!」「その程度か、トラ吉! どうしてデコチャリと合体しない!?」

アニメ『遊☆戯☆王5D's』のプラシドから。

本作は、Dホイールというバイクに乗ってデュエル(カードゲーム)をするライディングデュエルがメインなのだが、敵キャラクターであるプラシドはこのDホイールと合体してライディングデュエルを続行する描写があった。

後者は主人公勢とプラシドの再戦時にDホイールと合体しなかったプラシドを見た主人公の不動遊星が「どうしてDホイールと合体しないんだ」と発言していた。


  • そのままサドルのあった部分へと寝そべり、デコチャリと一体となった。

上記のDホイールと合体したプラシドは上半身が人の体、下半身がDホイールという見た目で

分かりやすく言えば下半身がバイクになったケンタウロスという感じの見た目となっていた。

なお、ストーリー中ではサドルと合体しているが、原作の方でプラシドはDホイールのハンドル部分と合体している。


  • ただのATMにしか見えねぇ。他にも洗濯機やホッチキスにしか見えない筐体がある。

順にCHUNITHM、maimai、オンゲキ筐体のこと。

maimaiが洗濯機に似ているというネタは言わずもがな、チュウニはATM、オンゲキはホッチキスに似ているというネタがある。

チュウニがATMに似ていることをネタにしたと思われる曲としてチュウニに8-EMが収録されている。


  • こんばっととらきち、「上からくるぞ! 気をつけろォ!」

ク〇ゲー界の征夷大将軍と名高い伝説のク〇ゲー『デスクリムゾン』から。

こんばっととらきちはその主人公・コンバット越前から

上からくるぞ…はオープニングでの越前のセリフ


  • 「ダニィ!?」

アニメ『ドラゴンボール』の映画『燃えつきろ!!熱戦・烈戦・超激戦』におけるベジータのセリフ「何!?」の空耳。


  • 「オラオラオラオラオラァッ!」「ドラドラドラドラドラァッ!」

『ジョジョの奇妙な冒険』の第三部主人公・空条承太郎と第四部主人公・東方仗助のラッシュ時の掛け声


  • Torakinator

こちらの考えているキャラクターや人物を当ててくれる人工知能「アキネイター」から

もちろんチュウニのキャラも多く登場する


  • チーズ牛丼

大手外食チェーン「すき屋」のメニューだが、「これを注文していそうな顔」といった意味の侮蔑に使われるスラング。

詳細については割愛するが、SEGA的にはかなりセンシティブなネタ。


スキル

RANKスキル
1ラストスパイク
5
10
15
25限界突破の証
50真・限界突破の証
100絆・限界突破の証

  • ラストスパイク [NORMAL]
  • ファーストスパイクのブーストタイミングが終盤になったスキル。ゲージの上昇が後半に寄るのでダメージの影響をやや受けづらい。
    そのためかファーストよりもやや重いペナルティを課せられている。(というか前述のメリットが帳消しになるレベルな気もする)
    どちらのスキルにせよあまり使い勝手は良く無いが…。
  • ファーストスパイクは+12以降から上昇率が加速+ダメージ増加率も増加したため、こちらも同様になると思われる。
  • 筐体内の入手方法(2021/8/5時点):
  • PARADISE ep.IIIマップ5(PARADISE LOST時点で累計775マス)クリア
プレイ環境と最大GRADEの関係
プレイ環境最大
開始時期ガチャ
PARADISE×
(2021/8/5~)
無し+3
あり
PARADISE
(~2021/8/4)
無し+5
あり+15
CRYSTAL無し+7
あり+15
AMAZON無し+7
あり+15
STAR+以前
GRADE効果
共通2/3経過後からゲージ上昇UP (???%)
MISS時のダメージが増える (???%)
ゲージ上昇UPダメージ増加
初期値(240%)(150%)
+1(250%)(150%)
+2(260%)(150%)
+3(270%)(150%)
▼以降はCARD MAKERで入手するキャラが必要
(2021/8/5以降では未登場)
+4(280%)(150%)
+5(290%)(150%)
+6(300%)(150%)
+7(310%)(150%)
+8(320%)(150%)
+9(330%)(150%)
+10(340%)(150%)
+11(350%)(150%)
+12(375%?)(155%?)
+13(400%?)(160%?)
+14(425%?)(165%?)
+15(450%)(170%)
参考理論値:94000(5本+14000/22k)[+3]
参考理論値:98000(5本+18000/22k)[+5]
参考理論値:102000(6本+0/24k)[+7]
参考理論値:130000(7本+4000/26k)[+15]
[共通条件:ノーツ分布が均一]

所有キャラ【 幸野 うさぎ / 少年A / ダオ・トッテナ(10,15) / アンプルール(10,15) / トラ吉

PLUSまでの旧仕様

AIRバージョンから、ゲージ上昇開始地点が2/3に変更されて上昇率が調整された。さらにデメリットが大幅に軽減された。ゲージ上昇率と開始時間が変化した影響は、曲のノーツ分布に依存する。

初期値3/4経過後からゲージ上昇UP(280%)
MISS時のダメージが増える(500%)
GRADE UP3/4経過後ゲージ上昇UP 5%増加(最大295%)

▲ ページトップ

ランクテーブル

12345
スキルEp.1Ep.2Ep.3スキル
678910
Ep.4Ep.5Ep.6Ep.7スキル
1112131415
Ep.8Ep.9Ep.10Ep.11スキル
1617181920
 
2122232425
スキル
~50
スキル
~100
スキル

▲ ページトップ

STORY

EPISODE1 マエバシの猛虎「オレの名はトラ吉。グンマ最強の“番長”になる漢だ!」

 ここはしゃべる動物と人間が仲良く生活している不思議な世界『グンマ県』。

 そのマエバシ市には、グンマ県制圧を目論む1人の“番長”がその名を轟かせていた。

 『マエバシの猛虎』と恐れられている漢の中の漢――その名をトラ吉。


 「グンマ最強の“番長”になるのはオレだ!」


 クールで物静かな出で立ちをしているが、その内に秘めた魂はマグマの如く熱い。

 腕っぷしだけではなく頭も切れるトラ吉は、知略を活かして様々な猛者を屠り、あっという間にマエバシのトップに君臨した。

 グンマのテッペンを取るのも時間の問題かとまことしやかに囁かれていたが、時代はそれを許そうとはしない。

 トラ吉と同等の力を持った“番長”が居たのである。


 それこそが、トラ吉が唯一ライバルと認めた漢。

 『タカサキの猛犬』――ポメ太だった。


 「トラ吉のヤツにゃ負けられねぇぜ!」


 どちらが先に、グンマ最強となるのか。

 2人の“番長”は幾度となく激突しようとしたが、様々な理由によって直接対決は実現せず、小競り合いだけが続く。


 「オレこそがグンマ最強のツッパリ。ポメ太のヤツにナメられるわけにはいかねぇ!」


 永遠のライバルのポメ太は、小柄で可愛らしい外見をしている。

 反面、トラ吉は大柄でイカつい。

 体型的なアドバンテージがあった。

 そのアドバンテージを活かさない手はない。

 トラ吉は、さらに見た目の威圧感を増そうと考えていた。


 「やはり、あの店で漢を高めるしかねぇぜ」


 トーキョーのハラジュクのニャットストリートに鎮座する店『Cosmic Cats』。

 そこでシャレオツファッションをキメることができれば、トラ吉の威圧感は増すはず。


 しかし、トーキョーの地は遠く、行く決心がなかなかつかずにいた。

 いつか絶対に『Cosmic Cats』のファッションをキメ、グンマ最強となる。

 そう心に誓いながら、トラ吉は今日も舎弟のミケ崎にツナ缶をパシらせるのだった。

EPISODE2 トレンドイン「トレンド入りしたらしいが記憶にねぇ。まぁ、騒ぐことじゃねぇな」

 「今日もマエバシに問題はねぇみてぇだな」


 下校中、ナワバリにニラミを効かせる。

 それがオレの日課だ。

 些細な変化すら見抜けないようじゃ、グンマのテッペンなんて取れねぇからな。


 「ん? 何か騒がしいな?」


 駅前に人だかりができてやがる。

 まさかカチコミか?

 いや、オレのナワバリにブッコんで来るバカはそうはいねぇハズ。

 少し様子を見に行ってみるか。


 「こいつは……そういうことか」


 マイクを持ったネーチャンにカメラを担いだヤツ。

 さらに、そいつらの服に書かれているロゴ。

 それらから導き出される答えはただ1つ。

 夕飯時にやってる情報バラエティ番組『ツッパリ』の街頭インタビューだぜ、これは。

 全国放送の収録現場を、まさかマエバシで見られるとはな。

 しばらく見学でも……。


 「夕飯といやあ、今日は自分で用意しろってカーチャンに言われてたな」


 何を食うか。

 今日のオレの胃袋は何を求めている?


 「すみませ~ん、ちょっとインタビューいいですか~?」

 「あぁ」


 最近は魚食ってばかりだったからな。

 繊維質の豊富な野菜を食いてぇところだ。


 「ありがとうございます~! では、新総裁に望むことはなんでしょうか~?」

 「おそうざい? おそうざいなら、キンピラがいいかな」


 便通改善にもなるし、完璧だ。

 夕飯の一品にするとしよう。

 ツッパリも体が資本だからな。


 「ぶふっ……あ、ありがとうございました~!」

 「あ? 今、誰かオレを笑ったか?」


 気のせいか。

 まぁいい。さっさとキンピラ買って帰るとしよう。


 帰宅して夕飯を食べていると、舎弟のミケ崎から連絡があった。


 『トラ吉さんのインタビュー、ネットで話題になってますよ! トレンド入りまで果たして……流石です!』


 インタビューだと?

 まったく記憶にねぇが……。


 「それぐらいで騒いでんじゃねぇ」

 『トレンド入りしたのにイキらないなんて……シビれます、トラ吉さん!』


 ――このインタビューが長い間インターネットで愛されることになるとは、この時のトラ吉はまだ知らない。

EPISODE3 現場トラ吉「工事現場は安全第一だ! キッチリ確認していくぜ、ヨシ!」

 何をするにも金は必要だ。

 特にデコチャリの改造費はそれなりに高くつく。

 金を稼ぐ時が来たようだ。


 「工事現場のバイトか。肉体労働で体も鍛えられそうだし、一石二鳥だな」


 イカしたツッパリは、カツアゲなんてシャバいマネはしねぇ。

 自分の手で稼ぐのが、真の漢ってモンだぜ。


 「おう、トラ吉! まずは安全確認だ! ヘルメット被ってしっかりやれよ!」

 「うす! 了解っす!」


 すぐに採用されてバイト当日。

 先輩からの指示に元気よく声を出す。

 オレとしちゃ、鉄骨の1本や2本でも運びてぇところだったが、まぁいい。


 「ヘルメット、ヨシ! アゴヒモ、ヨシ! 安全帯、ヨシ!」


 アレもヨシ! コレもヨシ!

 1つ1つ指をさして安全確認だ。

 与えられた仕事はキッチリこなさねぇとな。


 「ここもヨシ!」

 「ヨシ! じゃねーぞ、トラ吉ィ!」

 「どうして……ハッ!?」


 気づけば、ここは鉄骨の上。

 安全確認に夢中で登ってきちまったみてぇだな。

 下で他の作業員たちもざわざわしてやがる。


 「早くハーネスつけろ!」

 「うす!」

 「そうだ……ちょうどいいな。そこで待っとけ!」


 言われたようにハーネスをつけて待機。

 数分後に先輩がカメラを持ってやってきた。


 「現場の啓発ポスターの写真を撮るぞ! 片足上げて、もっかい足場の安全確認だ!」

 「了解っす!」


 片足上げて、足場に向かって指差しポーズだ。


 「ヨシ!」

 「いい写真が撮れたぜ!」


 そうしてバイト初日が終わり、数日後。

 バイト先の上司が声をかけてきた。


 「お前のおかげでいい啓発ポスターが作れたんだ。その分、給料に上乗せしといたからな!」

 「あざす!」


 まさか想像以上に稼げるとはな。

 これでさらにイカしたデコチャリにできるぜ。

 ヨシ!

EPISODE4 乗れよ、デコチャリ対決!「オレの相棒、ホイール・オブ・“ツッパリ”! これが完璧なデコチャリの姿だ!」

 知り合いのバイクショップで新たに改造してもらった相棒で街を走る。


 「最高の乗り心地だ。風も相棒の出来を讃えているようだぜ」


 コンビニの前に相棒を止め、フォルムを眺める。

 トラックを模したゴツイ外見に、渋く光るLED。

 オレの相棒――ホイール・オブ・“ツッパリ”!

 我ながら惚れ惚れする出来……完璧だ!


 「そこの君~、ちょっといいかな?」

 「あん?」


 なんだ、この異様にチャラついた男は?


 「あぁ、怪しいものじゃないよ。君、『メンズアニマル』って知ってる?」

 「メンアニ……だと!?」


 メンズアニマル――通称、メンアニ。

 最先端を行くシャレオツなファッション。

 常識を逸したシビれるキャッチコピー。

 数多の漢を虜にしてきた、センスの塊ともいうべき有名なWebサイトだ。

 オレもよくチェックし、心を震わせている。


 「――そこで今度、デコチャリ特集をしようと思ってるんだ。君のデコチャリ見てシビれちゃってねぇ~。よかったら取材させてくれないかなぁ?」


 それが、まさかオレの相棒目当てで話しかけてくるとはな。

 断る理由はねぇぜ。


 「いいっすよ」

 「ありがとうねぇ~! もう1人取材することになってるから、一緒についてきてくれるかな?」

 「うす」


 ライターの男について行くと、そこは駅前広場。

 ここに取材相手が居るらしいが……ん?

 アイツは……!


 「ポメ太君だよねぇ? ごめんねぇ、遅くなっちゃって。途中でシビれるデコチャリを見つけてねぇ、連れてきちゃったよ」

 「と、トラ吉!? なんでオメェがここに!」

 「ポメ太、テメェこそ何してやがる」

 「あれぇ? 君たちお友達だったの? いやぁ、これは運命感じちゃうねぇ!」


 ダチじゃねぇ!

 まさか休日にポメ太の顔を拝むことになるなんてな。

 ついてねぇぜ。


 「それにしても、2人のデコチャリ最っ高だねぇ! フロントからの曲線美! それに熱い魂ってヤツをひしひしと感じるねぇ~!」

 「あざっす! 組んでるのは知り合いのバイクショップっすけど、設計は全部自分でやってるンすよ!」

 「そうなんだ、熱いねぇ~!」


 ポメ太が必死にデコチャリをアピールしている。

 確かにこいつのデコチャリの出来はなかなかだ。

 オレには到底及ばないがな。


 「ポージングいいねぇ~!」

 「そっすかね」


 オレはただ街灯にもたれていただけ。

 何してもセンスってのは滲み出ちまうモンなんだな。


 「まっ、けるかぁー!」

 「おぉ! 君のヤンキー座りもいいねぇ~! もっと! もっと輝いて! いいキャッチコピーができそうなんだよねぇ~!」


 あのシビれるキャッチコピーが生まれる瞬間に立ち会えるってのか!

 ライターのインスピレーションをシゲキする、インパクトのあることをしねぇと!


 「うおおおぉぉぉっ!」

 「なっ、テメェ何やってやがる!?」


 デコチャリの装飾を取り外して、自分の体に装着していくだと……!?


 「オレ自身が、デコチャリになるんだよォォッ!」

 「ダニィ!?」

 「その程度か、トラ吉! どうしてデコチャリと合体しない!?」


 まさかテメェがここまでやるとはな。

 正直驚いたぜ。


 「オレを本気(マジ)にさせたこと、後悔するんだなッ!」


 オレはサドルを外すと大きく跳び上がり、体を逸らす。

 そのままサドルのあった部分へと寝そべり、デコチャリと一体となった。

 見ろ、ポメ太!

 これがオレの本当の姿だ!


 「いいねぇ! 最っ高だねぇ~! 君たち2人が並んでると最高に絵になるねぇ~! そうだ! 最後に2人でポージングしてみてよ!」

 「2人で!?」

 「だとォ!?」


 思わずポメ太と見ると、ヤツと目が合った。

 だが仕方ねぇ、やってやる。

 相棒が映えるように前面に置き、オレたちはその後ろで肩を組んで不敵に笑う。


 「いいねいいねぇ~! キタキタキタキタ! イケてるキャッチコピーがキタァァァッ! MAXMAXアゲなフレーズだねぇ~! 掲載楽しみにしてくれよねぇ~!」


 そのままライターは去って行ってしまった。

 まだまだオレのカッコよさを見せたかったが、仕方ねぇ。

 しかしポメ太のヤツ、流石はライバルと認めた漢だ。

 オレのセンスについてこれるとはな


 「なかなかやるじゃねぇか、ポメ太」

 「トラ吉、オメェこそな」


 それから数日後、メンアニに記事が掲載されていた。


 「トラ吉さん! スゲェっすよ! イケネコまとめサイトにまで載るなんて!」

 「騒ぐんじゃねぇ。このオレが取材されてんだぞ。当然の結果だ」

 「でもなんでポメ太のヤツとツーショなんて撮ったんです?」

 「取材の流れで仕方なくだ。気にするんじゃねぇ」

 「なるほどっすね。そうだ、あのキャッチコピーメチャクチャシビれました! せっかくですから、言ってみてくださいよ!」

 「いいだろう。乗れよ、何処までもクレバーに抱きしめてやる」

 「うぉぉぉ! シビれるっす! パネェっす! やっぱりトラ吉さんは最高っすよ!」


 最高にイカしたキャッチコピーだ。

 これでオレの漢も上がるってモンだぜ。

EPISODE5 列戦! 音ゲー対決!「こ・ん・ば・っ・と・と・ら・き・ち。 さぁ、音ゲーを始めるぞ!」

 「トラ吉さん! プリチェキ撮りましょうよ!」


 ミケ崎のヤツにゲーセンに誘われて来てみれば、それが目的だったってのか。


 「仕方ねぇな」


 2人で入って撮影。

 ほう、なかなかよく撮れてるじゃねぇか。


 「こんなトコで会うとはなァ、トラ吉! プリちゃんでも撮ってたってか、あぁ?」


 まさかポメ太のヤツまでゲーセンに居やがるとはな。


 「テメェにゃ関係ねぇ」

 「やんのか、あぁ!?」

 「2人とも落ち着くっスよ。せっかくなら、ゲームで勝負するのはどっスか?」

 「おもしれぇ! 吠え面かかせてやる! あのピカピカしてるイカしたゲームで勝負だ!」

 「いいだろう。ただし泣くのはポメ太、テメェだがな!」


 それにしても、ポメ太の指差した筐体。

 アレは本当にゲームなのか?

 ただのATMにしか見えねぇ。

 いや、アレだけじゃない。

 他にも洗濯機やホッチキスにしか見えない筐体がある。

 ここは本当にゲーセンだってのか!?


 「ミケ崎、あのゲーム知ってるか?」

 「もちろんですよ! 今話題の『コウニズム』です!」


 コウニ……?

 確かに今オレは高2だが……そういうことか。

 高校2年生しか遊ぶことが許されねぇ、キビシイゲームってわけだ。

 きっと『チュウサンズム』とか『コウイチズム』なんてのもあるんだろう。


 「トラ吉もそれでいいな?」

 「問題ねぇ」


 何を話していたか全くわからねぇが、それを悟られるわけにはいかねぇ。

 とりあえず筐体にコインを入れる――あ? カードをかざせだぁ?


 「プレイにはこれが必要なんですよ! トラ吉さん用に1枚買ってきました!」

 「悪いな、ミケ崎」


 カードを使うと、次は名前を決めろだと?


 「最近プレイしたあのゲームから借りるか。こ・ん・ば・っ・と・と・ら・き・ち、と……」

 「イカしたネーミングですね、トラ吉さん!」

 「普通にヤるんじゃつまらないんで、1曲ごとに難易度と速度アゲアゲでいくっスよ!」


 ゲームの設定が勝手に決められていくが、何がなんだかサッパリだ。


 「1曲目は簡単にしたっスよ!」


 よくわからないままゲームが始まる。

 だが、ヤツに負けるわけにはいかねぇ。

 曲名は混沌? とかいうやつで緑色の難易度だ。


 「上からくるぞ! 気をつけろォ!」


 タイミングよく叩き、たまに手を宙に浮かせる。

 なんだ、簡単じゃねぇか!


 「と、トラ吉さん、違います!」

 「るせぇぞ、ミケ崎! 今集中してんだ!」

 「画面を叩いたって意味ないんです! スライダーを叩かなきゃ!」

 「ダニィ!?」


 オレとしたことが……オールミス、だとォ!?


 「もう勝負はついたも同然だなァ!」

 「何ナメたこと言ってやがる。今のは小手調べだ。次はテメェが泣きを見る番だぜ!」


 2曲目は業とかいうヤツの黄色い難易度。

 コツは掴んだ。

 今のオレに適うヤツなんざ、この世に存在しねぇ!


 「なん……だと……!?」

 「こんなモンだぜ」


 2曲目は、僅差でオレの勝ちだった。


 「どうした、テメェの力はその程度か?」

 「ハッ! 1回勝ったくらいでイキんな!」

 「次の速度はソニックっスよ!」

 「せっかくだからオレはこの赤いのを選ぶぜ!」

 「いいだろう。オレも赤だ!」


 3曲目はRebellion。

 始まってすぐに、雪崩のようにノーツが降り注ぐ。


 「見えるぞ! オレにもノーツが見える!」

 「クソ! まっ、けるかぁーっ!」


 研ぎ澄まされた感覚。

 全てのノーツが止まっているかのようだぜ!


 「オラオラオラオラオラァッ!」

 「ドラドラドラドラドラァッ!」

 「2人とも、なんて勢いだ!? けど何1つ叩けてない!」


 圧倒的なノーツの量。

 叩く手が、指が足りねぇ。

 このままではポメ太にしてやられる。

 どうする? 考えろ、こんな時こそ頭を使うんだ。


 ――頭を使う?


 そうか、そういうことか。


 「オレの答えはこれだ!」

 「トラ吉さん、何を!?」

 「アレは……頭エアー!? 両手じゃ取れないエアーノーツを取るために編み出された技っス!」


 これでオレの勝ちだ、ポメ太ァ!


 「オレは肘だァー!!」

 「アレは……肘エアー!? エアーノーツをより多く取れるようにと編み出された技っス!」


 ヤツも秘策を持っていたか!


 「オラオラオラオラオラァッ!」

 「ドラドラドラドラドラァッ!」


 曲が終わった。

 ずっと頭を振っていたからか、クラクラするぜ。

 画面には大きく「FAILED」の文字。

 隣のポメ太も同様だった。


 「……これがリアルじゃなくてよかったな。リアルだったらオメェもう死んでるぞ」

 「……オレのナワバリじゃ今のノーカンだから。仕方ねぇから引き分けにしておいてやるぜ」

 「引き分けじゃつまらないっスねぇ。ワンモア行きましょう!」


 いいだろう。次でテメェをボコボコにしてやる。

 もう一度プレイしようとしたその時――


 「ちょっといいかしら? ここは交代台。連コは禁止よ」

 「あぁ? 何話しかけてきて……ンだ……ァ?」


 話しかけてきたのは、セーラー服に身を包んだメスゴリラだった。

 オレが……動けねぇだと?

 こいつは見た目以上の……もっと恐ろしいものに違いねぇ。

 そして、順番を代わってやった直後、オレは見ちまった。


 「ウホオオオォォォォォッッ!!」


 青白いオーラ――だとぉ!?

 ただでさえデカい身体が、更にデカく――!?


 『オールジャスティス!』

 「ウッホホ、たぎる譜面だったわ! これでグンマも制覇ね!」


 そう言って、メスゴリラは颯爽と消えた。

 グンマを制覇……そういうことか。


 「空いたっスね! 勝負の続きっス!」

 「……今日は帰る」

 「……オレも帰るぜ」


 ヤツは音ゲー界の“スケバン”。

 あの完璧なプレイングを見た後じゃ、やる気なんか出てこねぇ。

 世の中にはあんなヤツも居るんだな。

 音ゲー界も奥が深いぜ。

EPISODE6 麻婆日和「オレの目の前で、麻婆豆腐が飛び散った」

 「トラ吉さん! オレも連れてってください!」


 学校終わりに夕食の材料を買いに行こうとすると、ミケ崎がそんなことを言ってきた。


 「豆腐屋に行くだけだ。ついてきても何もねぇぜ?」

 「どんな時だって、トラ吉さんと一緒に居たいんです!」


 なんだかわからねぇが、今日のミケ崎は熱いな。

 仕方ねぇ、連れてってやるか。


 「なんでオメェが居るんだよ!」


 豆腐屋に向かっている途中、誰かが吠えた。

 この声……ポメ太か。

 だが、今日はテメェに構ってる暇はねぇ。

 オレの頭の中は今、夕食のレシピのことでいっぱいなんだ。


 イメージしろ!

 完璧な麻婆豆腐の作り方を!


 ①まず、豆腐をしっかり水切りし、生姜、ニンニク、ネギをみじん切りにする。

 ②フライパンを熱し油を適量ひき、①で刻んだ材料をフライパンに投下。香りが立ってきたらトウバンジャンを加え、さらに炒める。

 ③豚挽き肉を加え色が変わってきたら、酒大さじ2杯、味噌と醤油を大さじ1杯、砂糖小さじ1~2杯、鶏がらスープを150cc加える。

 ④スープが沸いてきたら、豆腐を一口大に切って投下。

 ⑤スープがまた沸いてきたら弱火で少し煮て、水溶き片栗粉を少しずつかき混ぜながら加えていく。

 ⑥ある程度とろみがついたら一度沸騰させ火を止め、器に盛りつけてごま油とネギを少量散らして完成。


 これが……オレの完璧な麻婆豆腐だ!


 ――ここまでの思考、わずか0.5秒!


 「我ながら完璧な脳内シミュレーションだぜ」

 「ウボァー!?」


 なんだ、今の悲鳴は?

 道路に麻婆豆腐が広がっていやがる。

 オレのイメージ力が強すぎて、現実に見ちまってるのか?

 そんなわけねぇか。

 目を擦って見てみると、そこに居たのはミケ崎だった。


 「…………」


 もう一度目を擦る。

 赤く染まったミケ崎が立ち上がっていた。


 「なんじゃあこりゃあ!?」


 叫んでもう一度ぶっ倒れるミケ……ミケ崎ッ!?

 いったい何が起こったってんだ?

 信号は赤だ。

 トラックが突っ込んできたのか?

 いや、違う。

 まさかミケ崎のヤツ、信号をシカトしやがったのか!?

 ミケ崎はオレの舎弟。

 つまり、ヤツの事故はオレの教育不足。

 それからイメージされるのは――これだ。


 ①保護責任者遺棄罪で処罰の対象に。

 ②舎弟への治療費、損害賠償。

 ③相手方への示談交渉。


 ――ここまでの妄想、わずか0.2秒!


 なんてこった。

 このままじゃオレの財布がペシャンコだぜ。

 オレは常日頃から信号の渡り方は教えていたはず。

 いや、そんなことよりも、ミケ崎ィィィ!?


 「トラ吉さん……異世界で、みんなを笑顔に……」

 「バカ野郎! 信号は青の時に右見て左見てもう一度右見てから渡れっつっただろうが!!」


 ミケ崎の体を起こすと、手に赤いモンがついた。

 こいつは……ミケ崎が持っていたトマトジュース!

 ったく、無茶しやがって……!


 誰が呼んだのか救急車が到着し、ミケ崎の付き添いとして乗り込む。

 外ではポメ太がオレを見ていた。

 もしかして、ヤツが呼んでくれたのか?

 感謝の意を込めて手を振ってやると、ポメ太はへッと笑って去って行った。


 ミケ崎の命に別条がないことがわかったのは、既にどっぷり日が暮れてから。

 豆腐屋に行ってみれば厚揚げしかなかったが、まぁいい。

 厚揚げの麻婆豆腐ってのもいいだろう。


 家で麻婆豆腐を作り食べようとすると、厚揚げにポメ太の面影を見た。

 まさかテメェに助けられる日が来るなんてな。


 ありがとよ、ポメ太。

EPISODE7 決闘≠トレーニング「流石はオレが唯一のライバルと認めた漢。いいトレーニングになったぜ!」

 登校すると、下駄箱の中にポメ太からの手紙が入っていた。

 開けてみると、それはトレーニングジム入会キャンペーンのチラシ。

 そしてその裏には『放課後、トネガワ土手に1人で来るがいい!』と書かれていた。

 なるほど……そういうことか。

 オレとポメ太は今やグンマの2大巨頭。

 他にナメられねぇよう、強化を図ろうって魂胆か。


 「最近体が鈍ってる気もしてたからな。誘いに乗ってやるとするか」


 放課後、ランニングがてら走りながらトネガワ土手へと向かう。

 そこには、既に肩で息をしたポメ太の姿があった。

 この後のプランはオレの頭の中にある。

 このままジムに行き筋トレ。

 最後にプールで泳いで筋肉をほぐす流れだ。

 きっとポメ太のヤツも満足するだろう。


 「――ケリつけッゾ!」


 ん? 今蹴りって言ったか?

 なるほど、キックボクシングか。

 確かに、実戦形式の方が効果的かもしれん。


 「……いいだろう、かかってこい!」


 一瞬の沈黙の後――オレは右ストレートをポメ太の顔面目掛けて放つ。


 「ドラァッ!(ぷにゅ)」

 「オラァッ!(ぷにゅ)」


 クロスカウンターが炸裂した。

 だが何故だ? いつもより弱々しい気がするぜ。


 「ハッ! オメェの拳はそんなモンじゃねぇだろ!」

 「テメェこそ、手ぇぬくんじゃねぇぞ!」


 互いに距離を取って様子を探る。

 キックボクシングと言いながら、足技ではなくいきなり拳闘とはな。策士だぜ。

 だが、テメェのファイティングスタイルは完璧に分析済みだ。

 素早さを活かして懐に入り込み、リーチの短さという弱点を補いつつペースを自分のものにしていく。

 その戦法に多くの猛者が翻弄されてきたが、オレは既にテメェの攻略法を編み出している!


 「ポメ太ァッ!」


 ジッとポメ太の目を見つめながら距離を詰める。

 オレの出方を探っているのか、動きが消極的だ。

 仕掛けるなら、今だぜ。

 腕を伸ばせばポメ太に拳が届く距離。

 既に息を切らし、注意力が散漫になっている今なら、アレが使えるはずだ!


 「こっちを見ろォ!」


 ポメ太を見つめていたオレは、唐突に全力で右を向いた。

 我慢しても無駄だぜ!

 集中力を欠いた今のテメェは、本能的にオレの視線を追ってしまうはずだ!

 さぁ、見ろ! オレと同じ方向を!

 その視線の先を!

 そこがテメェの地獄だッ!

 そこへオレの拳がテメェを襲う――


 「ダニィ!?」


 ポメ太テメェ……なんだその動きは……?

 振り子のような動作……まさか、ヤツの必殺技か!?

 オレが視線を外した一瞬を突いて、その動作に入りやがった!

 本能に打ち勝ったとでもいうのか!?


 「こいつで沈みなッ!(ぷにぷにぷにっ)」

 「ぐぅっ!?」

 「ドラドラドラドラドラァッ!」


 肉球が……脳に……響きやがる……ッ!?

 だがまだだ……このままじゃ終わらねぇ!

 オレにはまだ……アレがある……ッ!

 こいつが切り札だッ!


 ――『閃光』!


 「オラァッ!」


 必殺のカウンター!

 相打ち覚悟で右拳を放つ。


 ――ぷにぃっ。


 気づけば、オレは地面に転がってオレンジ色に染まった空を眺めていた。

 近くでポメ太も同じように倒れている。

 どうやら相打ちだったらしい。


 「やるじゃねぇか、トラ吉……」

 「テメェもな、ポメ太」


 流石、このオレが唯一ライバルと認める漢。

 実力は拮抗し、全力が出せて清々しい気分だ。

 いいトレーニングになったぜ。

EPISODE8 Torakinator「トラ吉は全部全てまるっとスリっとゴリっとエブリシングお見通しだ!」

 「オレさ……ずっと気になってるヤツが居てよ」


 土手に寝転がりオレンジ色の空を2人で眺めていると、ポメ太がそう呟いた。


 「ほう、どんなヤツだ?」


 ポメ太が一目置くツッパリか。気になるな。

 オレの脳内データベースに居るか、検索してみるとしよう。


 「そいつぁ目が輝いていてよ……何もかもがオレよりデケェんだ……」


 こいつよりも背が高い。

 だが、そんなヤツはごまんといる。

 わざわざ言うってことは、初めの質問はこれだぜ。


 Q1.そいつはオレより背が高い?

  ①YES

  ②NO

  ③わからない

 →④たぶんそう部分的にYES

  ⑤たぶんNOそうでもない


 「そんなデケェのが居んのか……」

 「あぁ、オレもオメェも、アイツにとっちゃちっぽけかもな」

 「ハンパねぇな」


 バケモンじゃねぇか、それ?


 「そんで頭も良くて運動も得意で、いろいろ完璧なヤツなんだ」


 Q2.頭が良くて運動も得意?

 →①YES

  ②NO

  ③わからない

  ④たぶんそう部分的にYES

  ⑤たぶんNOそうでもない


 A.思い浮かべているのは「レトリーバー」

 →①はい

  ②いいえ


 よぉし! 正解!

 トラ吉はなんでもお見通しだ!

 しかし、バケモンみてぇにデケェレトリーバーか。


 「グンマにまだそんなヤツが……」

 「しかも、ショートカットのヘアースタイルがキマっててヤベェんだ」

 「ショートヘアー、だとォ!?」


 レトリーバーの条件に当てはまらねぇ!

 検索を続けるぞ!


 Q3.ロングヘアー?

  ①YES

 →②NO

  ③わからない

  ④たぶんそう部分的にYES

  ⑤たぶんNOそうでもない


 Q4.ショートヘアーが似合う?

 →①YES

  ②NO

  ③わからない

  ④たぶんそう部分的にYES

  ⑤たぶんNOそうでもない


 A.思い浮かべているのは「グレートデーン」

 →①はい

  ②いいえ


 よぉし! 今度こそ正解!!

 トラ吉は全部全てまるっとスリっとゴリっとエブリシングお見通しだ!

 バケモンみてぇにデケェグレートデーンなら納得だ。

 運動能力も高いだろうしな。


 「そいつはヤベェ。ポメ太、度胸あんな……」

 「マ、マジか!? トラ吉にそう言われる日が来るなんてな……自信がつくぜ。あんがとよ」


 体はちいせぇが、魂はデケェモン持ってんじゃねぇか。

 それでこそオレのライバルってモンだぜ。


 「トラ吉。オレは明日、ヤツを落とす!」

 「随分急だな。1人でやれんのか?」

 「ったりめーだ。助けはいらねぇ」


 ドデケェヤツをタイマンで落とすと宣言するなんてな。

 ポメ太、テメェ……。


 「根性あんじゃねぇか!」

 「次会う時、オレは生まれ変わってるぜ。楽しみにしてるンだな!」


 テメェが生まれ変わった姿、しかとこの目に焼き付けさせてもらうぜ。

 だからよ、生きて帰って来るんだぜ……ポメ太。

EPISODE9 完璧な観光プラン「今こそ練りに練った完璧なトーキョー観光プランを実践する時が来た!」

 オレが唯一認めた漢――ポメ太。

 ドデケェバケモンにタイマンかましているはずのアイツを、夕方のトネガワ土手に見かけた。

 舎弟2人と抱き合ってるようだが……。


 「テメェら、こんなとこで何やってんだ?」

 「と、トラ吉!」


 近づいて声をかけてみると、ばつが悪そうに顔をしかめた。

 いったいなんだってんだ?


 「昨日言ってた女にコクったんだがよ、こっぴどくフラれちまったんだ……オメェに背中を押してもらったってのに、情けねぇぜ」

 「おん、女ァ!? ち、ちょっと待て整理する!」


 ドデケェバケモンとタイマンするはずじゃ……。

 まさか昨日言っていたのは女の話だったのか。

 とんだ勘違いをしていたぜ。


 「なるほど、そういうことか。だいたいわかった。それで、テメェはこれで終われるのか?」

 「ンなわきゃねぇだろ! トーキョーでシャレオツなファッションをキメて、もう一度コクるつもりだ!」


 トーキョーだと?

 これは、オレにとってもチャンスだぜ。


 「やはりトーキョーか……いつ出発する? オレも同行する」

 「トラキチ……いいんか?」

 「オレたちはもう、“マブ”じゃねぇか」


 この機会を上手く使わない手はない。

 ずっと考え、練りに練った完璧なトーキョー観光プランを実践する時が来たってわけだ。


 トーキョーでまず行くのはハラジュク。

 是が非でも初めはニャットストリートの『Cosmic Cats』でショッピングだ。

 念願のイカしたファッションを手に入れる。

 ここには時間を割きたいところだ。


 そうしたらおそらく小腹が空くだろう。

 駅に向かいながらタケシタ通りの『MILLION CREPES』で一番人気のバナナチョコクリーム(¥580)、

『MAGE TEE猫茶(ニャンチャ)』でMAGEタピ紅芋ミルク(¥680)をいただく。


 小腹を満たしたら、ニャマノテ線でシブヤに移動。

 やはりこの街のスクランブル交差点は一度は見ておきたい。

 お供にするのはヌタバの、グランデノンファットミルクノンホイップチョコチップバニラクリームフラペチーノ(¥530)。


 そしてトーキュートーヨコ線に乗ってナカメで降り、メグロ川沿いのシャレオツショップを見て回る。

 ここで再度、胃袋が少し寂しくなるはずだ。

 PNIPPER’Sで奇跡のパンケーキメープルバタークリーム(¥1000)を食べて満足した後、トーキュートーヨコ線でミナトミライへと向かう。


 ミナトミライに着いたら、ランドパークタワーのランドパークプラザでショッピングだ。

 それが終わり次第、ヨコハマチューカガイへ行って本格中華を堪能!


 予算は途中のショッピング次第だが、だいたい3万くらいあれば問題ないだろう。

 これがオレの完璧なトーキョー観光プランだ。


 トーキョーでない場所も入っているが……隣のチバにはトーキョーを冠した遊園地があるじゃないか。

 オレのプランだってだいたい誤差みたいなモンだ。

 ミケ崎が居ねぇのが残念だが、アイツとはまた別の機会に行けばいい。


 ――所要時間、わずか0.1秒!

 またクールに世界を縮めちまった――!


 「待ってろよ! シモキタの『Guilty』!」

 「「おー!」」

 「ん?」

 「ンだよ、トラ吉。ノリワリィなぁ! オメェも声出せ!」

 「お、おぅ!」


 何か店名が聞こえてきた気がするが……まぁいい。

 こいつらの買い物が終わってからでも間に合うだろうからな。


 出発は明日の早朝。

 初のトーキョー遠征……楽しみだぜ!

EPISODE10 獣道801号線「ブル介の鋭い眼光がオレを捉える。テメェの熱い想い、確かに受け取った!」

 ポメ太の家で朝を迎える。

 誰かの家に泊まるなんて久々だったぜ。


 「さて、今日は長旅になる。しっかり髪のセットをしねぇとな」

 「トラ吉の旦那、ワックスと鏡です!」

 「お、おう。ありがとよ、ブル介」


 ブル介のヤツ、昨日までと態度が違う気がするぜ。

 旦那なんて呼ばれ方、初めてだ。

 ま、悪い気はしねぇ。

 こんなに献身的な舎弟が居るなんて、ポメ太も恵まれてやがるぜ。

 ササっと髪形をキメて、次は相棒のチェックだ。


 「オレの相棒がピカピカになってるだと? いったい誰が?」

 「磨いておきやした!」

 「ブル介、お前だったのか」

 「うす! 旦那、今日隣走らせてもらってもいいですか?」

 「おう。構わねぇぞ」

 「ありがとうございやす!」


 そしてポメ太宅を出発。

 グンマとトーキョーを繋ぐ県道801号線を進む。

 その間、オレはやたらと熱くネットリした視線を背中に感じていた。

 それは、休憩中でより強くオレにまとわりつく。

 喉が渇いた時――


 「旦那、お水をどうぞ!」

 「キンキンに冷えてやがる……! 助かったぜ、ブル介!」

 「へへっ、ありがとうございやす!」


 小腹が空いた時――


 「旦那、好物のツナ缶でございやす!」

 「やっぱツナだなぁ! ブル介もどうだ?」

 「いいんですかい? いただきやす!」


 ブル介の視線に戸惑いはあったが、道中こんなにもオレに尽くしてくれている。

 それがどうしようもなく、嬉しく感じた。

 こんなにしてくれたヤツは、ミケ崎の他には居なかったからな。


 「テメェは本当にいい漢だぜ。だが、テメェの兄貴分はポメ太だろう? オレに尽くす理由はねぇはずだ」

 「もちろん、カシラァは心の底から尊敬してやす。ですが、トラ吉の旦那もオレに喝入れてくれやした。その恩は返さなくちゃならねぇって思うんです!」

 「そういうことか……」


 ここまで忠義に厚いとはな。

 本当にいい舎弟を持ってやがるぜ、ポメ太のヤツ。


 「テメェの熱い想い受け取ったぜ。ブル介×トラ吉って上着の背中に金刺繍して背負ってやる!」

 「ウホッ……ブルトラ……たぎりやす!」


 オレを見るブル介の鋭く熱い眼光。

 いいぜ、その目……気に入った。

 テメェのその視線と思いに応えられるように、オレも漢であり続けるぜ!

EPISODE11 特盛チー牛(温玉付)「夜空に輝くオレたちの絆を象徴するツッパリ座。この遠征で、かけがえのないものを手に入れたぜ」

 初めてのトーキョー遠征。

 目的は達せられなかったが、オレたちは清々しい気持ちで帰路に着いていた。


 「腹空いたし、何か食べてかないっスか?」

 「おっ、あそこに好み屋がありやすよ!」

 「まだまだ先は長い。ここらで飯とするか」

 「そうしようぜ!」


 ゲーセンでプリチェキを撮った後、気分転換も兼ねて腹を満たすために好み屋に寄る。


 「ラッシャッセー」

 「高菜タラコマヨ牛丼のたまごセットオナシャス」

 「大根おろしポン酢牛丼のおしんこセットで」

 「ネギだく牛丼ツユだく、あとメシだくで」

 「はいはい、ご飯大盛りですねー」


 オレは何にするか。

 そういや、好み屋には選ばれしものしか注文しないメニューがあると聞く。

 表情は少し暗く、真顔。

 ちゃんと店員の目を見て商品名を言う。

 これが、このメニューを注文する時の作法だ。


 「すいません、とろとろ3種のチーズ牛丼の特盛に温玉付きをお願いします」


 言った瞬間、店員に緊張が走ったのがわかった。

 やはり……これを注文するには、かなりの度胸を要するってわけだ。


 「なんだそのメニュー?」

 「知らんのか? チー牛は文明的な食べ物。注文するのは、漢の中の漢だけと言われている」

 「マジかよ! すんません、オレもチー牛で!」

 「アニキィ、チー牛になりてぇっス!」

 「オレも食べさせていただきやす!」


 結局全員チー牛か。

 だが……グンマからトーキョーの過酷な道を踏破した猛者たちだ。面構えが違う。

 注文する資格は十分にある。


 「テメェら、チー牛を食べる時は寡黙でなきゃならねぇんだ」

 「あ? なんで?」

 「漢はその方がイカしてるからに決まってるだろ」


 運ばれてきた4つの特盛チー牛(温玉付)。

 オレたちはそれを静かに食す。

 口いっぱいに広がる濃厚なチーズの味わい。

 しっかり煮込まれた牛肉と完璧にマッチしているぜ。

 これが漢の中の漢だけが知る味か。


 「あぁ、うめぇ」


 チー牛を食べて外に出ると、既に空は漆黒に染まっていた。

 だが、そんな夜空に瞬く星たちが見える。


 天に輝く五つ星。

 それらを繋いでできあがるのは、オレたちの絆を象徴する――ツッパリ座。


 そう、オレは手に入れたんだ。

 かけがえのない、ダチってヤツをな。

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■ 楽曲
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WORLD'S END
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無印 / AIR / STAR / AMAZON / CRYSTAL / PARADISE
NEW / SUN
マップボーナス・限界突破
■ スキル
スキル比較
■ 称号・マップ
称号 / ネームプレート
マップ一覧
コメント (トラ吉)
  • 総コメント数5
  • 最終投稿日時 2021/05/23 23:46
    • チュウニズムな名無し
    5
    2021/05/23 23:46 ID:tfqql3x0

    ラストスパイク+15

    なんとなくあげる

    • チュウニズムな名無し
    4
    2021/05/23 20:15 ID:l7f05wh0

    過去にストーリーでチーズ牛丼ネタにしてくれないかなみたいな事言ってボロクソに叩かれた人居たけど運営は平気でチー牛ネタ使ってきたしこの木主がかわいそうになってきたな

    • チュウニズムな名無し
    3
    2021/05/23 13:01 ID:c4t0x3nz

    オンゲキがホッチキスはくさ

    • チュウニズムな名無し
    2
    2021/05/16 10:50 ID:t1rsqkpu

    >>1

    相当前から作ってた説はある

    それならなんで修正してないんだって話なんだけど

    • チュウニズムな名無し
    1
    2021/05/16 00:49 ID:pcivgnib

    チー牛は名越が盛大にやらかした案件なのに執筆段階でストップ掛からなかったんかな

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